久々に技術書を読みました。「Python インタラクティブ・データビジュアライゼーション入門」というPlotly/Dashの入門向けの書籍です。
とても良い本でPlotlyやDashの基本から扱えるグラフや機能を丁寧に解説されています。公式ドキュメントで困ったら一冊買っておくとおススメ。
Python インタラクティブ・データビジュアライゼーション入門 ―Plotly/Dashによるデータ可視化とWebアプリ構築― | |
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朝倉書店|Python インタラクティブ・データビジュアライゼーション入門 ―Plotly/Dashによるデータ可視化とWebアプリ構築―
この書籍は、著者の一人で、はんなりPythonの会主催の小川さん@OgawaHideyukiより献本いただきました。大変ありがとうございます!
感想
この書籍はカナダのPlotly社が作成しているグラフライブラリのPlotlyとグラフを含めたWebアプリ作成フレームワークのDashについて扱う入門本です。drillerさん@patraqusheさんと小川さん@OgawaHideyukiと@komo_frさんによる共著です。
現状だと日本語情報があまりないライブラリでもあるので、現時点でPlotly/Dashの一番の日本語情報 になっていると思います。またそれぞれに備わっている標準のライブラリ機能にも言及しています。
とくによかったのはグラフの作成例が豊富なところです。Plotlyはドキュメントが英語でもあるので引数からしてどのように操作すればいいのか悩むことがありますが、書籍の例が画像付きであるので操作しやすいです。
あとグラフカスタマイズの方法の解説も良かった点です。グラフをとりあえず作るところからきれいに整える所までカバーできるようになっています。
Dashについては、Webアプリを作るときの部品、コンポーネントも考える必要があります。グラフと同様に種類があるのですべてを載せるのは難しいのですが、コンポーネントの配置方法であるレイアウトの操作からよく使われるコンポーネントのドロップダウンやテーブル、動的な操作を行うためのコールバックの解説があります。グラフと表をセットで見たいようなアプリならすぐに作れるんじゃないかと思います。
追加ライブラリの紹介もあり、画像描写やアノテーションにも使えるDash Canvasやバイオインフォマティクス向けのDash Bioを紹介しています。最後にあったDash DAQはアプリの操作向けのコンポーネントまとめですが、IoT機器を操作するときにも使いやすそうなライブラリで使ってみたくなります。
ネットワーク図を扱うDash Cytoscapeの章では、ネットワーク図になじみがない方向けにも丁寧に解説されています。関係性を表現するにはわかりやすいグラフでもあるので、なじみがない方もどういった操作で図式化できるかを見るには十分な解説に思いました。(最近の解析は関係性から考えることが多いのでネットワーク図作れると何かと表現しやすいと思います)
気を付けたいのは入門書といってもライブラリの入門書であってPythonや統計学の知識がある程度求められます。補足は多いのですがすべてを説明するのはさすがに難しい。
統計学についてはわからない単語は調べつつ読んでいくと、分野で使われるグラフの意味合いもわかるようになると思います(そのぐらいグラフがたくさん載っている/扱えるという意味で)。操作できるグラフから分野に対しての入門として、書籍のタイトルでもある「インタラクティブ・データビジュアライゼーション入門」にぴったり。グラフを触りながら意味を知って深めていく、副読本にもちょうどよいと思います。
まとめ
この2つのライブラリは、はんなりPythonのDashハンズオンでトライしたときに知ったもので、コスト少なくWebアプリが構築できる点で使ってみたいと思っていました。
最近homeenvdashというプロジェクトをやってみていて、そこでDashを使ってみています。実装していくとグラフの操作やレイアウト周りで悩むことが多かったのですが、書籍を見ながら細かい改善を進めていけそうです。
まとめですが、PlotlyやDashを何かの機会で始められた方には日本語向け情報は貴重でリファレンスになると思います。一冊持っておくとおススメです。
Python インタラクティブ・データビジュアライゼーション入門 ―Plotly/Dashによるデータ可視化とWebアプリ構築― | |
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