Proxmox VE 4.4 を導入してみた:インストールと仮想マシン作成

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Proxmox VEを使ってみました

本業で利用するアプリ、個人的な趣味のツールのために、開発用のGitLabやテスト用のWinなどのマシンを稼働させています。

それらを仮想マシンとして動かすためにハイパーバイザーとしてKVMを利用していました。数年前からvirshやvirt-managerなどを使って管理していましたが、 おっさんになってコマンド打つが面倒に 本業が忙しくてコマンドラインでいちいち管理するのが面倒になってきた(あとVMwareなどの別のアプライアンスを使ってると憧れますよね。。)のでVMwareに移行しようかなと考えていました。

または、KVMのハイレベルなUI、できればWEBで利用できるインターフェイスがあるかなと探してました。KVMの公式では管理ツールの紹介があり、こちらを探してたのですが

Management Tools - KVM

それとTwitterで助言にただいたときにこのサービスを知りました

Server virtualization management with Proxmox VE

Proxmox VEという仮想マシンサーバーです。中身としてはDebian, KVM, LXCと仮想マシンやコンテナにも対応してます。WEBで一通りのことができる上にSSHで操作も可能とのことです。 あとUIはある程度日本語対応になっています。WEBでのコンソール(VNC)があったり結構高機能ですね。

あまり日本語の情報がないのが残念ですが、お試しも兼ねて導入してみた様子を紹介します。

インストール

サーバーのISOファイルはこちらからダウンロードできます。CDやDVDに焼いてブートさせます。

Download ISO installer, service packs, and software documentation for Proxmox products

インストールでは最近のLinuxライクなUIベースで導入できます。Qiitaに解説されている方がいましたので参考としてリンクしておきます。

インストール時に要求される情報は

  • ロケール設定
  • インストール先ディスクの選択
  • rootユーザーのパスワードとメールアドレス(このメールアドレスはいつ使われるのかわかりません。サポート用?)
  • ネットワークの設定とホスト名の設定

ホスト名は適当な名称で良いと思います。例としてvm.example.com と設定すると、ホスト名としてvmと設定されます。(サブドメイン=ホスト名かな)ので、複数マシンを作る際にはかぶらないように気をつける必要がありますね。

ISOでディスクでのインストール以外にUSBメモリでインストーラーを使うことができるそうですが、(ちゃんと検証してないので未確認情報ですが)自分の環境ではUSBスティックを作ってインストールさせることはできませんでした。 インストーラーであるISOファイルをUSBメモリにDDしてすると、インストーラーではなくてProxmox VEそのものがブートします。なのでUSBメモリにサーバーOS自体をインストールしたい方はディスクを作ってインストーラー経由ではなくて、そのままDDしたほうが早いかもしれません。

起動してWEB UIにアクセス

ブートして、マシン側のコンソール(サーバーに直接ディスプレイを繋いだ状態)では、Linuxのログインコンソールが現れます。そちらに表示されているURLへアクセスしてWEBUIを表示させます。

自己証明書なHTTPSなので最近のブラウザでは警告が出ますが、ひとまず無視してアクセスします。

ログインはインストール直後はrootユーザーでログインします。このときにロケールの設定をしてユーザーを覚えさせておくと、次回からロケール設定しなくても好みの言語でアクセスできるようです。

この直後に、サブスクリプションライセンスをインストールしていない場合に以下の警告が出てきますが、利用できるのでスルーしてOKボタンを押します。

(設定済みの環境で申し訳ないのですが) 3ペインな表示で右側にサーバーの各リソース一覧, 左の上にリソースの詳細情報, 設定パネル, 左下は操作時のログがあります。

仮想マシンをインストールする

デフォルトでは、ディスクはlocal, local-lvmが登録されています。(テスト用にNFSのストレージを追加した状態です。

最初なのでインストール直後に使えるサーバーローカルのストレージに仮想マシンをインストールしてみます。この場合はlocal-lvmにマシンのイメージを保存します。 また必要なOSのディスクイメージ(isoファイル)のアップロードも必要です。isoファイルはlocalという名前のストレージにアップロードします。

OSのディスクイメージアップロード

アップロードは、左側ペインのツリーメニューに有る"local"ストレージを選択します。右側ペインの内容が自動的に表示されると思いますので、その中でアップロードを選択肢アップロードします。今回はUbuntu Server 16.04のisoファイルをアップロードしてます。

できました。一覧に表示されていると思います。

仮想マシンの作成

仮想マシンの作成はウィザードで行います。メイン画面の上部にかならずあるボタンでVMを作成を押してスタートします。

その後はウィザードに従って適時設定します。ディスクイメージはストレージを選択した上で、イメージファイルは自動的に現れます。(このストレージも登録されているストレージ一覧が現れます)

最後まで行くと完了ボタンが表示されるので完了で作成終了します。すぐに起動はしないで、左側ペインのツリーにあるように、作成したマシンが登録される状況です。

仮想マシンの起動, WEBコンソール(NoVNC)を使ってセットアップ

仮想マシンの起動をしてみます。ツリーにある仮想マシンを選択して、右側ペインに有る起動ボタンを押す事で起動します。起動すると右側ペインのサマリーから稼働してサーバーのリソースを利用している様子が見れます。

こちらの例だと、103というマシンのアイコンが薄くなってます。これを選択すると右側ペインに仮想マシン用のメニューやサマリーが見れます。

サマリーの下にあるコンソールを選択すると、NoVNC(JSのVNCクライアント)が表示されます。コンソールとしてそのまま利用できます。

トラブルなど

この辺で特段とトラブルらしいトラブルは出てこないと思われます。お試しなので問題があって動かせない場合は再インストールするで良いと思います。

トラブルというほどではない細かい話を上げておきます。

コンソールでキーボードを叩いても操作できない

NoVNCを再度表示し直すと解決しました。コンソールから別のメニュー(サマリーなど)に切り替えるとキー操作ーができます。 それでもだめな場合はWEBインターフェイスを再読込, 再度ログイン, ブラウザで利用できるプライベートブラウジングモードを使うなどすると良いと思います。

ライセンスについて

Proxmox VEは利用自体は無償のようです。基本的にはオープンソースプロジェクトとして GNU AGPLv3 で提供されています。お金がかかるサービスとしては有償サポートがあるようで、契約することによって機能にアクセスできるリポジトリ(Enterprize Repository, アップデート時にテスト済みで安定的なリポジトリの意味だそうです。)とサポートのグレードで価格を決めているようです。

コミュニティベースでのサポートなら1CPUごと月5.83ユーロ(現時点のレートで約675円)でエンタープライズリポジトリも使えるので契約しておいても損はないかもしれません。

Support subscription pricing for Proxmox VE

まとめ

Proxmox VEについてかんたんに使い方を紹介してみました。次回は本格的に導入するためにバックアップの構成, クラスターの構成なども紹介してみようと思います。

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