ルールの失敗を学んでルールを運用する術を学ぶ。ルールデザインを読みました

ルールの失敗を学んでルールを運用する術を学ぶ。ルールデザインを読みました


ルールデザインを読みました。なかなか面白かったので感想を書いてみます。

書籍の紹介

数理モデル思考で紐解くRULE DESIGN -組織と人の行動を科学する-
B0BPY77S96

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ルールデザインは、人が行動するときは一体何が影響して起きるのかを数理モデルを使って読み解いています。ルールを用意した時の失敗から学び、ルールをどのように運用するべきかを考えるための本に思いました。

人間の思考は意識をもって動けるかと思ったらそれほど強くも単純でもなく、さまざまな要因が混じるものと思っていて、単純ではないからこそのルール設定の失敗を多数紹介しています。インセンティブとか集団の中での挙動とか。ルールに歴史がある時になぜこのルールが今でもあるのかの理由についても考えさせられることもあります。

こうするとわかってくるのはルールを作るだけではそれほど効果がないということ。ルールを運用するための仕組みを作ることが重要だということです。どのようにルールが運用されるか、運用の状況を見続けられるようにする、それを元に改善できるような仕組みも必要としています。

個人的に気になった部分は以下の通りです。

  • AIにおける人間社会の状況を学びすぎるが故の失敗。顔認証での人種問題や、データによる差別問題は現実に起きていて、今なお議論の中です。(これは最近私も受けたG検定でも扱っている話題)
  • 旅客機管制塔の話。失敗に学んだ先のルールについて。 事故を学ぶための仕組み、プロセスを整えるための方法論を上げています。この方法は企業や行政でも同じような方法をとられている話を見てました(ハラスメントとか)インシデントの重要性が一番わかる界隈だからこそ、インシデントを人の失敗とらえないような仕組みもあります。(たとえば、インシデント報告を規定以内にすれば責任は一切問われないとか)

まとめ

ルールを考える上での失敗例、そこからどう学ぶかまでをカバーしている書籍でした。ルールは銀の弾丸ではない。それも踏まえて考えるための教本みたいにも見えました。