e-Gov電子申請をしてみた話。マイナンバーカードの署名の話もあるよ

弊社のバックオフィス周りは私が全て行なっているのですが、厚生年金/健康保険や労務系の申請は初めて行うので、年金事務局や富士労働基準監督署で書類作成のお世話になろうと思ってました。

ガイドなど読み進めた結果、申請書はなんとか理解できそうだったので結果を持ち込んで確認してもらおうかと思ってましたが、多忙な時期と申請時期が被ってしまっていたので、電子申請で頑張ってみることにしました。

まあなんとかなるだろうと言う精神で行くのですが、大体行政系サービスは心を折られるので内心どうかと思ったのですが、心折れるほどでもなくかなりスムーズに進められました。(多少はしんどかったけど順応したかもしれません)

※言葉のところどころで言い切っている箇所もありますが、2023-01-14(この記事の執筆時は実は2022年07月ですが)現時点での状況です。そのため時期などで状況が変わる可能性もあります。

電子申請はe-Gov

電子申請は、e-Gov電子申請から行います。こちらは各省庁や関係期間で行う電子申請をまとめて行える場所です。

厚生年金/健康保険:日本年金機構

電子申請(e-Gov)|日本年金機構

労働保険(労災保険、雇用保険):厚生労働省

労働保険関係手続の電子申請について

この二つの機関でも電子申請はできたらやって欲しいという雰囲気でおすすめされたりするのですが、準備がそれなりにかかるのでよほどのことがない限りはやらないだろうなーという印象でしたが、やってみるとガイドの整備もされているようでなんとかなりそうな印象です。

特に大規模な従業員の申請をする企業さんは必須なサービスですね。

GビズIDプライムの登録

申告前に行った準備としてはGビズID(G-Biz ID)の申請です。GビズIDプライムという法人向けのIDが必要で、ID作成時に法人格の証明が必要になります。その際には法人の実印+印鑑証明書が必要になりました。

ちなみにGビズIDはデジタル庁のサービスです。最初電子的な登録だけで済むのかと思ったら、「申請書」作成が必要とのことで、紙なのか。。。とがっくりしてましたが、法人証明の方法って電子的な方法ないかーと思って、ここが我慢って感じでした。(逆にこの先にGビズIDでできないことがないで欲しいですね)

gBizIDプライム申請書作成 基本情報登録

念のために言うと、申請の流れから申請書の作成まではスムーズでした。登録完了の連絡もメールで届きました(確か申請後の確認書類は郵送などなかったと思う)

e-Govで電子申請をやってみる

GビズIDプライムが登録できたので、あとはe-Govで申請です。ここからは箇条書きでまとめてます。

  • (e-Govアプリを入れる): これはもしかしたらやらなくて良い作業かもしれません。Win/Mac共に対応でchromeでも問題ないようですし。
  • 利用環境 | e-Gov電子申請
  • 関係期間の電子申請のヘルプを見ながら
  • e-Gov電子申請のログインはGビズIDで行う:ログインの時に登録したメールアドレスにワンタイムパスワードが届く
  • 電子申請自体は、e-govで検索すれば申し込み先がちゃんと出てくる。
  • その後、説明を見ながら入力する
  • そもそも今回行う作業自体所見だったから慣れてなくて苦労したけど、一時保存があるからとても便利
  • (保存の時の名称を毎回求められるのですが、毎回入れるのが面倒だった。日付ベースでつけて欲しい)
  • 電子申請自体は関係署へ送れば完了。受け取りなどの状態もすぐにわかるのでとても良い
  • その後、別の申請も必要という連絡が関係署から電話が来たりしたので、ちゃんと送られていることでほっとしてる

電子申請した後に、関係期間から別途書類欲しいですと連絡があったのがある種の安心感があったのですが、よく考えたら、それもe-Gov側でステータスとして分かるようにして欲しいですね。電話取り損ねると担当者の方も困るだろうし。

マイナンバーカードで電子署名もしてみた

電子申請自体はe-Gov電子申請のサービスのみでできます。しかし電子署名が必要になる申請は署名の操作が必要になります。公的な文書への電子署名は、認定されている電子証明書が用意して、ブラウザ側に登録などを行えば良いらしいです。

今回はマイナンバーカードが使えるらしいので、申請で利用していたWindowsPCにJPIK利用アプリをインストールして、スマホ(Pixel5)と連携した上で、署名しました。

よくICカード系だとPC側にカードリーダーが必要に思われるかもしれませんが、少なくともマイナンバーカードならPCと対応のスマホを用意して、Bluetooth接続できるようにすれば、あとは専用ソフトの導入でできるようになります。方法は公的個人認証サービスのポータルサイトをみたほうが早いです。

事前の準備 | 公的個人認証サービス ポータルサイト

(ちなみに法人の電子申請なのに、なんで個人のマイナンバーカード?というのが気になったのですが、ざっくり言うと提出者の本人証明が必要なので、法人で用意した電子証明書か、事業主本人が持っているマイナンバーカード(に入ってる電子証明書)が使えるらしいです。)

電子証明書のご案内 | e-Gov電子申請

電子申請の際、申請者が送信する電子データが原本であること、改変されていないことを証明するためのもので、実印に相当するものです。 代理人が事業主等の本人に代わって電子申請を行う場合は、代理人の電子証明書と事業主等の本人の電子証明書が必要となります。

ちなみに署名で使うパスワードは長いほうの「署名用電子証明書用」です。数字4桁の方(利用者証明用などで使うやつ)ではないので注意。(はまってた話は後述)

電子申請やってみて

電子申請を実際に試して、よかったことや気になる部分もありました。軽くまとめておきます。

やってみてよかったこと

  • いつでもできるというのはその通りで、休日のほうが空いているので休日の空き時間にやったけど、スムーズだった。
  • 逆に平日は混み過ぎていてやる気無くす。
  • 書類の一時保存ができるのはとてもいい。それだけで安心感が違う

もうちょっとのところ

  • 細かいUIが最近のWEBっぽくない: 一次保存のときの名称とかはいらないと思うので空白にしたら時間帯を入れるとか
  • e-govのアプリの中身はIEっぽい。IEゾンビ状態... といってもchrome, Edgeでもできるはずなので、アプリの存在いらないと思う(なぜかとりあえず入れることになったので入れたけど)
  • 入力規則の注意喚起が不親切:入力した内容が誤っていると誤っていると出てくるけど、具体的にどの文字を入れればいいかが書かれていないのでわからない
  • 全角半角のごちゃ混ぜ問題:記入するときに全角か半角か入力規則的にわからないことがよくあった。特にカナ文字は半角かと思ったら全角だったりする。記入時には統一するか、後処理で変換してほしいぐらい。
  • 関係省庁の書類を出すときに、その書類の書き方などは自前でググらないといけない。あくまで書類申請の場だからかもしれないけど、関係する資料のリンクがあるととてもうれしいし、リンク管理大変=リンクの意識が上がるので、概念として入れておいてほしい。
  • システム的にやっているけど、基本紙書類ベースなので、本来だと1枚で済むような計算を別の申請でもやる必要がある。これはとても時間の無駄だから、紙からシステムの頭になってほしい。(これはデジタル庁というよりは関係省庁の話だと思う)
  • ↑と同じくで、基本的な情報は保存されていてほしい。例えば事業者住所や識別番号
  • マイナンバーカードで電子署名するときのPINは署名用の暗証コード。これどこかに書いておいてくれないと延々と利用者番号入れたりする(PIN=数字のみと思いがちだったのもある)->ロックされて体験が最悪になるので、説明ちゃんと入れてほしい。

最後のPINの話は画像を見るほうが早いです。これ初見だと絶対わからんだろ。ググってたら同じようにハマってた方の記事が参考になりました。

e-Gov電子申請システムでマイナンバーカードを使う - サイバーキャット by 岡山のホームページ制作会社ミト・ワークス

まとめ

初めてのe-Gov電子申請体験をしました。下準備はどうしても必要になるのですが、紙を使う機会はだいぶ減ったので良いと思います。ただまだ紙文化が色濃く残っているのも感じました。まとめると

  • e-Govは進んでいるし、もっとみんなで使ったほうがいい
  • 手助けしてくれる人がいないのがさみしいけど、自前でできて関係先に出向く必要がないのは素晴らしい体験
  • 細かい部分や関係省庁と連携してもっと便利に使えるようになるとほんとうれしい

来年もできるだけ電子申請で済ませようと思います。もっと便利になるといいなーと。

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