VRグラスとゲーミングPCで誰にも見られない作業環境を作る

VRグラスとゲーミングPCで誰にも見られない作業環境を作る


コロナ渦もあってリモートワークが当たり前になりつつありますが、課題もまだまだあって、在宅した時にディスプレイどうする問題があります。調査でも機器の用意や、在宅だとディスプレイ含めた作業環境の確保は上がってます。

参考: 第1回「これからのテレワークでの働き方に関する検討会」資料|厚生労働省より、<参考資料>テレワークを巡る現状について:PDF

とくに機密保持の観点からディスプレイを開いて作業することが適さない話はよく聞きます(だからリモートワークできないってことです。そして所属会社でも同じ環境だったりします)

ただ最近はVRHMDやVRグラスも出てきたので環境が作りやすいのでは?と思い立ちまして。早速作ってみたのが、冒頭の写真です。気を付けた点は

  • なるべく画面を見られない環境が望ましい
  • けど快適に作業ができるような体制が欲しい
  • (会社の事情:3Dモデリングをすることを想定してほどほどのマシンが欲しい)

一番は画面を見られない点です。混雑する場所でノートPCを使えば近くの人はその画面を見たくなくても目に入ってしまうはずです。しかしVRグラスならその心配はほぼなくなります。

ということで、要件はわかってきたので現在で作れる方法を試行錯誤してみました。

用意するもの

実験的なセットアップでもあるので参考程度に見てください。最低限VRグラスとつなぐ先のPCがあればどうにでもなります。

今回PCはゲーミングモバイルPCから選んでみました。これがベストというわけではなく、最初トータルの持ち物がコンパクトで軽くなるかなと思ったけど環境を揃えたらノートPCとさほど変わらなかったので、まだ詰める要素はありますね。

  • XREAL Air: グラスかつメインディスプレイ。XREAL Air 2 Proがもっと高機能なので予算があればこちら
    • XREAL Air2 Ultraという製品も近くリリースされそうです。単体で何ができるか未知数ですが使う機器が減ると良い選択肢かも。
  • XREAL Beam: XREAL Air単体でもディスプレイとして使えるが、そのまま使うと顔を動かすたびに画面が揺れるので、軽減するための中間アダプターみたいにしてます
  • PC:ASUS ROG Ally: ゲーミングPCで超小型のものを選択。ちなみに最近発表された ROG Ally XはUSB-Cが2つ付いてるので、今買うならそちらかな
  • USB-Cハブ(PD100W, HDMIは必須):ROG AllyのDock的な立ち位置。相性もあるので選ぶのが難しい。USB PDチャージャーと同じメーカーが良いも思う。今回はこちら→Anker PowerExpand 8-in-1
  • HDMI(out) to USB-C-DPAlt(in) アダプター: どう呼べばいいのか難しい製品なのですが、HDMI出力を受け取ってUSB-CのDPAltに変換するアダプター。ASUS ROG AllyはこれがないとXREAL Airに映せない
    • 今回利用している製品は -> ELUTENG HDMI to Type-C 変換ケーブル
    • 未確認ですが、ROG Ally XならUSB-C端子の一つをXREALに割り当ててしまえばこの製品は要らなくなりそう。
  • HDMIケーブル: USB-CハブのHDMIとアダプター間をつなぐため。参考のリンクは短めのもの。
    • USB-CハブもHDMI to USB-C-DPAltアダプターも熱を持つので離せるようにした方がよさそう
  • USB-PD ACチャージャー: 100W出るものが望ましい。HDMI to USB-C-DPAltアダプターでUSB-A給電が必要になるので、USB-Aも使えると余分にチャージャーを持つ手間がなくなる。
  • キーボードマウスはお好みで(リンクは写真で使っているもの)
  • 3Dconnection SpaceMouse Wireless: モデリング用の3Dマウス。今はBluetooth版があるらしいので、買うならそちら。

ROG Allyの仕様に引っ張られる話ですが、外部ディスプレイへの接続先がUSB-Cのみになっていて、XREALをつなぐとPC自体の充電ができなくなります。なのでUSB-Cハブを挟んだり、HDMIで画面出力をさせるために特殊なアダプタを使ってます。

接続図がこんな感じです。

使うときの注意点としては、PC本体にあるディスプレイはオフにします。通常はオフにする手段はないので、Windowsの画面ミラーリング設定でセカンドディスプレイのみにするとよいです。

拡張ディスプレイにして、表示しても影響がないウィンドウをPC本体のディスプレイに表示して2画面で作業するというのもアリですね。(ただ作業するうえで操作ミスでみせてしまうリスクがあるので注意)

Windows で複数のモニターを使用する方法 - Microsoft サポート

またVRグラスは対面で見るとグラス内に投射されている画面は小さいながらも見えてしまいます。とはいえフルスクリーンで動画を見ているか、ウィンドウが出てるかな?ぐらいしか把握できないのでリスクは低いと思います。もちろんサングラスから光をブロックするフィルターを付けてしまえば何も見えません(作業者も外が見られなくなるので逆に注意ですが)

バッテリーの持ち時間はROG Allyが2時間程度で器機をつけるとさらに減るので、実際にAC電源は必須な環境です。それでもホテルの部屋で作業するには十分な環境と思います。

XREAL AirはフルHDの解像度で作業スペース的には狭い感じになりますが、今後の製品で解像度が上がるともっと快適になりそうです。

まとめ

試行錯誤したこのセットアップでも十分利便性が良いことが分かったので、VRグラス界隈の今後も注目かなと思います。 まだ扱う器機が多いのが難点ですが、最近はキーボードの中にPCが入った製品もあったりするので、近い将来はもっと簡単になるかもしれません。