プロジェクト・ヘイル・メアリーでも脳を焼かれた話 ネタバレなしあり感想

プロジェクト・ヘイル・メアリーでも脳を焼かれた話 ネタバレなしあり感想


※この記事は後半から「プロジェクト・ヘイル・メアリー」と「超かぐや姫!」のネタバレを含みます。前半は極力ネタバレなしにしていますが、できれば1度作品を見てから後半を読んでいただくことをおすすめします




プロジェクト・ヘイル・メアリーを見てきました!とにかく最高すぎでした。興奮と号泣で結果的に脳を焼かれてしまった話です。あれこれ数日前もあったな...

ネタバレなし感想

アンディ・ウィアー著の小説作品の映画化です。同じく映画化された「オデッセイ」(小説は「火星の人」)が好きで何度も見ていたこともあって、楽しみにしていた作品です。

原作を見てからがいいなーと思ってましたが叶わずで、それならと、原作未読・予備知識なしの初見で臨みまして、それが大正解でした。物語の最初の「何が起きているんだ」という不思議さの導入から、映像のSFとしての説得力も相まってとにかくワクワクする感覚が最初からありました。それが味わえたのが映像というのも良かった。

SF作品としての素晴らしさが詰まっています。宇宙空間・宇宙船の描写、果てしなく遠い宇宙に何があって出会うのか。降りかかる難題に取り組む様子と、そこから生まれるドラマがとても良くて、後半はもう号泣ものでした。あんなの泣かないわけにはいかないだろ...

こちらも話題になってまして、スタッフロールがとても綺麗で、本当に見ていて飽きませんでした。実際の天文写真を使っているそうです。エンドロールまで席を立たないことを強くおすすめ。

The astrophotography of 'Project Hail Mary'

宇宙の表現をこれでもかと見せられる作品なので、大きいスクリーン、IMAXで見れるといいと思います。もちろんそのほかのスクリーンでもおすすめです。

グッズがなかなか買えなかったり、初回特典が漏れてしまったり...ですが、Xでポストされていた3Dモデルが良かったんですよ。印刷して飾ってます。こうなるとヘイル・メアリー号も欲しい。

ネタバレなしまとめ

2026年にこんなSF作品が見れるのは幸せです。感動以上を味わえてしまいました。今の世界だからこそ見たい作品です。

そして「オデッセイ」もぜひ!勇気と感動がもらえる作品です。

オデッセイ(吹替版)を観る | Prime Video

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蛇足

最近見た「超かぐや姫!」もそうですが、どちらも本当に良い作品なので、ぜひ両方見てください!

この2つの作品をどちらかを見て号泣した方には、もう一方も絶対見てほしい とだけ言わせてください。

ハッピーエンド見たくない! 質問?


(このあとはネタバレありの話になります。なぜか超かぐや姫!のネタバレも扱います)
















※ ここからネタバレあり ※


まずはヘイルメアリーで特に良かった部分から。

善良であることの尊さ

ヘイルメアリーを見ていて感じたことのひとつは「善良であることの尊さ」でした。

グレースとロッキーは、それぞれ故郷をどうにかしたいという想いを持っています。グレースが故郷に対して複雑な想いを抱えていることも物語の中で描かれます。ロッキーが旅の途中で仲間を失っていく話は想像するだけで胸が痛いです。そんな想いを2人とも共有していきます。

そんな中で「なんとかしようぜ」と思って2人が動いていきます。故郷を救おうとする。そして、互いを思いやる様が心打たれてしまいました。

もちろん、互いにいないと解決できない=協力関係が前提の物語をやっているのですが、タウアメーバの採取の時にグレースが危ないときに戻れ!またできる!というロッキー。グレースはチャンスはここしかないという無謀さを見せていく。グレースに事故が起きてしまった時にロッキーも自分が危うくなるのにも関わらず自身の種族では生きられない環境に晒されながらもグレースを助けに行く。

互いに持っている科学者/技術者として命懸けの最高の仕事をしているんです。でも、そこで見れるのは才能や力だけではない、信じること。自分たちが持っているもの、できることにも限界があるわけで、とてもちっぽけに見えてしまうこともある。でも使い方なんだよ、何に使うんだよ、ということが感じられます。


「Two of Us」が良かった

ビートルズの「Two of Us」が使われていた理由も公開されています。これが流れるときは、グレースが地球帰還を諦めて、試料やデータを詰め込んだ「ビートルズ」を地球へ送りながらも、再び危機が訪れてしまったロッキーを助けに行く時に流れる楽曲です。この瞬間がとても好きでボロボロ泣ける。


ここからが、今回の記事で一番言いたいことですw こちらの記事の続きになります。

超かぐや姫!に脳を焼かれた人が、プロジェクト・ヘイル・メアリーでも脳を焼かれる

超かぐや姫!を観たあと、これはすごいSFものを見てしまった...と呆然としつつ、、SFで気になっていたプロジェクト・ヘイル・メアリーを見て落ち着こうかと思っていたら、まさかまた脳を焼かれてしまいました。

作品の予告でも触れられていますが、SFバディもの。しかも異星人とのバディなんすよ。 ただ、似ているというか、全く物語として違うのに感じるものが同じすぎて呆然としてました。

目的に向かって、グレースとロッキーの2人で進んでいく様子、互いに寄り添いながらの様子が、グッときてしょうがなかったのが、とにかく印象に残ってます。置かれた境遇、悲しみを抱えてしまったり、故郷へ馳せる想い。実はそれぞれ若干違うんだけど、それをお互いに大事にする様子が感動...

ってなんかこれ超かぐや姫!を見た感覚に近いのでは... どちらも、音楽が素晴らしいし、笑いながら号泣しっぱなしの作品です。

こんなSFバディもの2作品が、奇跡的に同じ時に見れるだなんて、今年は何という年なんでしょうか...

もう限界オタク化してまして、こういうものを見ても脳がバグってそう見えてる。

超かぐや姫!とプロジェクト・ヘイル・メアリーを比べてみると、驚くほど似通った構造があって面白いです。2人の旅から別れた後に降りかかった問題に対してまた会いに行く様子が、超かぐや姫!の彩葉がヤチヨを救いに行こうとする時にそっくりに感じてました。

どちらがというより、キャラもシチュエーションも全く違うのに、自分の持てるものをどう使うか、選択から獲得できるもの、そこから自由になっていく瞬間、普遍的な部分は変わりなく、お互いをなんとかしたいと思い行動する様子が見られます。

そして、ハッピーでありたいことを伝えてくれている、主人公たちが大好きですね。


ということで個人的にとても近いと思った部分を挙げてみました。

主人公にある「核」となる部分

  • グレース: 科学者・研究者としての部分が核。科学や発見への興味が尽きることがない人。教師として生きがいを感じている。
  • 彩葉: 幼少期に父の影響を受けて育った「音楽」が核。かぐやのおかげで徐々に音楽に対しての情熱を思い出していく。

物語のキーとなってる部分ですね。この核があるからこそ物語が動いていきます。

主人公は孤独と疎外感を抱えていた

  • グレースは研究者としてはコミュニティから外れてしまう、恋人とも関係も絶たれてしまう。地球でのプロジェクトへの参加のときも、どうしても他者との違いを見つめてしまう様子もある。物語の後半で判明する不慮の事故もあって、結果自分が望まない境遇へ陥ってしまう
  • 彩葉は父が亡くなり、母との軋轢がある。文武両道で優等生として社会的には取り繕っているけど、それは結局のところ母に認めてもらいたいというところがあって、それが唯一の望みになってしまう。他者に対しての意識が低く、芦花や真美が心配してくることも冷静に捉えてしまうところがあって、そこにやっぱり壁が1つあるんだなとも感じる。

どちらも根本には孤独がある主人公なんですよね。物語の起点にもなってる点も近いかもと感じます。

主人公を変える異星人の驚き

  • 目的地で出会ったのが、鉱石のような生き物(ロッキー)
  • 突如出会った、ゲーミング電柱から現れた赤ちゃん、数日で同じくらいの背丈になる生き物(かぐや)

出会い方の衝撃と、主人公の戸惑いのシーンがどちらも良かったです。超かぐや姫!のほうは途中でET出してましたし。

超かぐや姫!とプロジェクト・ヘイル・メアリーって似てない?と話題があった当初にSNSで見て投稿。そうだよねええええ、ってうなづきが止まらんかった。

異星人が押しかけ女房の如く、主人公のエリアに入ってくる

  • ロッキーはグレースが心配になってしまうばかりに、宇宙船お宅訪問ごとく出向き、自分が住めるように工夫しながらもグレースに無理やり居住エリアを作らせたりする
  • かぐやはライバー活動のために物を買ったり、彩葉にプロデュースや出演をせがんでくる。褒めて一緒にやろうと強引ながらも、彩葉の境界線を超えていく。

どちらも最初に部屋に行くと汚い/ボロアパートって言う感じもサイコーでしたw その空間が2人にとって心地よい場所となったのも似ていたかなと思います。

異星人が、たくさんの別れを経験している

  • ロッキーは、目的地に向かう途中でクルー、仲間を失ってしまう。仲間を見守ることの習慣として寝ている時も常に隣にいて見守ろうとする。グレース的には迷惑だったでしょうが。
  • かぐや、のちのヤチヨは8000年の間に、会ってきた協力者や好きだった人たちとの別れを繰り返してきた。争い殺し合うことを防ぎたい思いで作ったツクヨミで、彩葉を迎え入れていく。(小説版で語られている部分です)その後は出会うべき時のためとはいえ、共感し続けて励まし合い続けている。

グレース、彩葉に対して、もうそういう別れをしたくないと願っているのも、どちらも同じと思えます。人はすぐに死んじゃう、という話があったのも印象的です。

異星人が、主人公のために自分を投げ打っていく

投げ打ち方は全然違うんですが、相手のためにという根っこは同じと思う。

  • ロッキーは終盤、不慮の事故で重体になってしまったグレースを身を挺して助けていった。自身にとって危険な空間のことをを承知で飛び込む。
  • かぐや(ヤチヨ)は月に帰ることになるが、彩葉をこれ以上悲しませたくない想いもあり、花火大会の時に帰りたくないとは言わなかった。8000年後のヤチヨとして再会したときも、会えたことだけで十分と本心を出さないように感情を押し殺そうとしていた。

主人公が助けに行く、という「選択」

本当に2つの作品で一番心を打たれたところなんですが、主人公2人が見せる「最高にマヌケで無鉄砲な選択」がたまらないんですよ。

  • グレースは、タウアメーバの影響でロッキーが確実に死ぬと気づいたとき、地球へ帰還するという道を捨てて、ロッキーを救うために進路を変えて向かう。
  • 彩葉はかぐや(ヤチヨ)のために、彼女が一人で耐え抜いてきた8000年分の記憶と経験のすべてを見に行く。人が耐えうる情報量じゃないのに、今のかぐやに出会いたい一心で望んで突っ込んでいく。

この2人、どちらも普通の人より遥かに素晴らしい能力(グレースは生物学を研究する科学者 / 彩葉は文武両道の優秀さと音楽の才能)を持っているのに、コミュニティ(学術分野、家族)から阻害感を受けた結果、極端に自尊心が低いという共通点があるんですよね。

だからこそ、この終盤の選択がめちゃくちゃ光るんです。

  • 中盤で、グレースはロッキーに「君はマヌケだ!」と言われそうになった時、翻訳機にそれを「勇敢」と意訳して登録した経緯があります。多分それは心の中では自分の選択を肯定してほしかったし、誰かに「勇敢だ」と言ってほしかったんだと個人的には思ってます。 そして終盤に自らの意志で、最高に「マヌケ」な選択をしてロッキーの元へ向かいます。相手を想っての無鉄砲な行動こそが、彼が一番欲しかった「本当の勇敢さ」だったと感じます。
  • 彩葉も同じで、かぐやのために歌を作り上げるとき、母のようになりたかったけどなれない...と伝えて、自分が信じる道から抜け出したこと。ヤチヨを想うことで人では耐えられないとも言っている、ヤチヨの8000年の記憶へ無謀なダイブをしていく。もちろん本人はそれもちゃんと承知の上!と言うぐらい。そこからやり切ってしまうところも最高に良い。

自尊心が低かった主人公たちが、大切な相棒のために「マヌケで無鉄砲」になる選択をしたことで、結果的に自分自身を縛っていた呪縛から解放されていくんです。それを理解してくれるだろう相手の存在があったからこそ、損得を超えた自分が納得できる選択ができた。

本当の「自由」

その後の生き方にまで影響し合って、一緒に生活できるようにするところも良かったです。もうここは本当に良いものを見たとしか...

  • グレースとロッキー: ロッキーたちエリド族は、グレースが生きられるようにわざわざ地球と同じ環境の居住ドームを作ってくれる。グレースもエリドの言葉を深く理解し、近い言葉で話せるようになるまで歩み寄る。
  • 彩葉とヤチヨ: 彩葉は、仮想空間にいるヤチヨから現実世界に出られるように、10年の歳月で義体(ロボティクス身体)を作り上げる。ヤチヨもそんな彩葉にずっと協力と応援し続けて、最後に再会が叶う。

そして、この唯一無二の絆がもたらした最大のものが、「その後の選択が『自由』になっていたこと」です。

物語の最初で抱えていた孤独や、自尊心の低さからくる呪縛、それから全て解決はしてないけど解放されるんですよね。

  • 地球のコミュニティに対して孤独や疎外感を感じていたグレースは、地球への帰還を一旦手放します。自分に答えと居場所をくれたロッキーやエリディアンたちのために、生きがいだった「教師」の道を選ぶ。
  • 月へ帰った時のかぐやの想いを受け止めた彩葉は、縛られていた母親の「言葉の呪い」を手放します。折り合いをつけて、自分の意志で法学部ではなく理学の研究者という選んだ道へ、かぐやのアバターボディ(義体)と仮想空間への五感実装を目指して進んでいく。

過去のトラウマやコンプレックスから解放されて、自分で掴み取った「自由な選択」なんですよね。誰かに「押し付けられた選択」ではないものを選んだ。

だからこそ、どちらの作品も「最高のハッピーエンド」として心に深く突き刺さるんだと思えます。


ネタバレありまとめ

改めて、「プロジェクト・ヘイル・メアリー」、素晴らしかったです。映像も素晴らしすぎるので劇場でIMAXのような大きいスクリーンと素晴らしい音響で見てほしいです。まだ吹替版が見れてないので見たいですね。ロッキーの吹替が楽しみ。

そして「超かぐや姫!」もおすすめです!この作品たちが後世に継がれてほしいと思える、私自身も記憶に残したい2つのSF作品!表明!👎

ただ一気見はおすすめしませんw 4時間超えで号泣しっぱなしは体力使いますよ。


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小説といえば、オモコロの特集記事が素晴らしかったです。小説を追体験できて、見ちゃうともう読まないとなー、と思える記事。

SF小説を読んだことがない男がプロジェクト・ヘイル・メアリーを読む | オモコロ

そして超かぐや姫!のノベライズ版もぜひ!

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贅沢なインタビューです。


どちらの作品で曲を挙げるなら、この2つ!涙で前が見えないです。

Two Of Us (2021 Mix)

おまけ: SNS見ていて良かった投稿

個人的に二次創作はこれが好き

主演のライアンゴスリングさんの語りが素晴らしかった

早川書房のNoteにある作品の用語解説見たら、ロッキーーーー(涙)ってなってました。こちらもぜひ。