前置き
新年の目標の一つに立ててた、シビックハック界隈を体験するを実行した話です。何をしたかとどうしたかを数回に分けて書いていこうと思います。
シビックハック界隈の有名なアプリ, サービスとして、5374.jp というプロジェクトが有ります。これはCode for Kanazawa(CfK)による成果の一つで、ごみの収集日と仕訳方法を案内できるサービスです。
サービスと言ってもボランティアベースで行われているもので、CfKの本拠地、石川県金沢市のごみ情報だけではなく、各地域の誰か(個人や団体、役所の例もあります)がホスティングして提供することも出来ます。
広がる「5374(ごみなし)」アプリ 課題解決、自分たちの手で|コラム|日本最大級の環境展示会 エコプロダクツ2015
地元である静岡県富士市のごみ収集情報の提供方法は、基本的に紙, 役所のWEBサイトとありますが、実は富士市が作成したアプリもあります。
富士市ごみ分別アプリ:きみもごみ減らし隊 - Google Play の Android アプリ
実はこれで満足してたわけですが、Android版だとAndroid 5.0にしてから通知が使えなくなったりと不便になってしまいました。
これからメンテナンスされるか不安なのもあって、ちょうど興味と不安が一致したこともあり(後新年からやや暇な時間があったのもあり)5374.jp の富士市版をつくってみることにしました。
作ったもの
こちらからアクセスできます。まだ平成27年度までしか対応できていないのでご注意を
各回の目次
- 準備編
- 作る前に確認すること: 既出かの確認作業, 著作権等
- 作るために準備するもの
- 作成作業編(2回に分けます
- 5374アプリの設置場所の用意(GitHubの組織アカウントの作成, リポジトリの準備)
- Googleスプレットシートでデータの入力と整形
- 公開編
- GitHubに配置
- 一般公開
- トラブルシューティング
作る前に確認すること
5374アプリ のとある地域を作りたい時に、まず最初に確認するのはすでに存在しているかです。同じ地域のものが複数あるのは良くないのでまずチェックするのが良いと思います。
5374.jp のサイトに作成された地域が確認できます。まずは公式サイトの埋め込みマップを確認してみましょう。
次に、すでに作成を表明している場合の調べ方ですが、5374.jpのFacebookページにあります、参加表明をするためのGoogleスプレットシートがあります。参加したい方はこちらに表明しておくと良いと思います。
各地域の5374制作リスト - Google スプレッドシート
次にごみ情報の著作権についてです。公的な情報は一般公開されているため著作権は発生しないとされています。
@hrs_sano645 "「引用」など著作権法上認められる場合を除き、富士市の許可なくウェブサイト内に掲載されている文書・画像等を無断使用・複製・転載・販売・改変・印刷配布することを禁止します。 "
— 九龍真乙 (@qryuu) February 19, 2016
とあるので著作権法32条第2項の引用の規定が適用されるので問題ないと思いますが
@hrs_sano645 お疲れさまです。富士市さんに許諾を頂いた方が確かにいいですね。静岡県は5374を導入している自治体さんも多いですし、ぜひお伺いしたらどうでしょう。そこから協働できる部分も出てくるかも。
— けんいちろう (@kenchif) February 19, 2016
一応念の為に市役所で確認してみました。富士市では廃棄物対策課の方に問い合わせの返信を頂きまして、問題ないとの回答を頂きました。(メールの転載は許可を得てないので省きます)
市区町村によっては特殊なポリシーがあるかもしれませんが通常は問題ないと思います。心配な方は一度市区町村のお問い合わせ先で連絡してみましょう。
(Twitter@qryuuさん , CfK代表のTwitter@kenchif(福島さん) ありがとうございます。)
作るために準備すること
公開先の準備
次に5374アプリの公開先を準備します。WEBアプリなので公開できるWEBサーバーが必要です。サーバーサイドのプログラムはないのでレンタルサーバーの類でも問題ないはずです。
今回は、GitHubでwebサイトを公開できる方法、GitHub pagesを使います。
GitHubとはプログラムのソースコードを広く公開するサービスですが、そういったプログラム、アプリやサービスのプロジェクトのサイトを(個人のサイトやブログもです)作ることもできまして、それをGitHub pagesと呼びます。
- GitHub Pages - Websites for you and your projects, hosted directly from your GitHub repository. Just edit, push, and your changes are live.
- GitHub PagesでWebページを公開する方法 | TechAcademyマガジン
実は5374.jpのドキュメントにGitHub pagesを使った公開方法を紹介されてますが、最近の事情とは少し変わったらしいので自分が行った方法を解説します。具体的な作業は次回で扱います。
地元の 5374 を、自前サーバを用意せずに GitHub Pages で公開する手順 - Qiita
5374(ゴミナシ).jpサービスの立ち上げに必要なデータの準備 - Qiita
ごみ情報(ソース)の確認
他に準備するものは、もちろん5374アプリの情報元のゴミ情報です。
各地域で手に入る情報を用意します。大抵は町内で配られるカレンダーや仕分けに関する表等ですが、市の全域をカバーする場合は市役所で確認するか、市のWEBサイトにあるはずです。
富士市でも市のWEBサイトですべての地域のごみのカレンダー、仕訳方法等が確認できます。
その他必要なもの
ごみ情報の収集, 整形作業を便利にするために、googleスプレッドシートを用意します。5374アプリのゴミ情報はCSVファイルで管理しているので作成と編集は表計算ソフトがあると便利です。
Excelでも良いのですか、今回のゴミ情報作成時に表計算の関数機能を使いましたが、googleスプレッドシートと関数名や機能が違う可能性があります。
ごみ情報を作る時の時間も必要になります。地域によってはカバーしなければいけない数が膨大になるところもあります。
毎年更新される情報ですし、収集方法が変わることもあるので、毎年更新する時間を用意する必要があります。
最後に、取り組みに賛同してくれる方です。こういった手入力でデータを作成するときに確認作業が必要になりますが、入力した人が確認すると大抵間違いはスルーしてしまうことがあるので、確認作業は別の方にやってもらうほうがいいと思います。 また、一人でのプロジェクトだとその一人がやらなくなるとその時点でプロジェクトは機能しなくなります。そういう意味でも複数人でやることの安心感があるはずです。
複数人でプロジェクトを運用する際に、どこかでアプリの実態(ソースコードとごみ情報)の管理ができる場所が欲しくなります。そんな時にGitHubとGoogleスプレットシートが役に立ちます。
どちらも複数人の共有を前提にしているサービスなので、サービスのアカウントさえアレば誰でもプロジェクトの参加ができるようになります。しかも無料で利用できます。
まとめ
今回は準備編でしたので、概要や準備する物について説明しました。まとめるとこうなります。
- 確認すること
- すでに取り組まれているかの確認
- 著作権に関する確認
- 準備すること
- 公開先: WEBサーバーやGitHub pagesの利用
- ごみ情報の情報元を用意: 市のWEBサイトにあれば望ましい
- GoogleスプレットシートやExcelなどの表計算ソフト: ごみ情報の収集と整形を楽にするために
- ごみ情報を作成、管理維持するための時間
- 賛同者との協力体制:(GitHubの組織アカウント, Googleスプレットシートを使う理由)
次回からは、準備で解説しきれてない実際の作業と、ごみ情報を5374アプリ向けに収集、整形する方法を解説していきます。
お知らせ
5374アプリ 静岡県富士市版は、現在私個人で作成, 運用しているプロジェクトです。興味のある方がいらっしゃいましたら一緒にやりませんか?
具体的に今困っている/足りないことは以下のとおりです。
- 入力しているごみ情報の正確性
- モバイル向けに電話番号や住所への対応:利便性向上のため
ごみ情報の正確さが一番大事なのですが、作成した人が見ているだけだと間違えに気がつかないので、どなたかに確認してもらいたいです。
連絡先は個々のコメント, Twitter@hrs_sano645 でお願い致します。お待ちしております!