「超かぐや姫!」で脳を焼かれた話 ネタバレなしあり感想

「超かぐや姫!」で脳を焼かれた話 ネタバレなしあり感想


※この記事は後半からネタバレありを含みます。前半は極力ネタバレなしにしていますが、できれば1度作品を見てから見ていただくことをおすすめします

超かぐや姫!を見てきました。話題になっているし、どんなもんかなーと興味本位で見に行ったら、完全に脳を焼かれてしまった話です。

この作品はちゃんと思ったことを残したくて記事にしています。完全にネタバレにしかならないので、ネタバレなしとありでお届けします。クソデカ感情でこんなに文章にしたのは久しぶりです。


『超かぐや姫!』は、AIライバー「月見ヤチヨ」が管理する仮想空間「ツクヨミ」でのVR体験が当たり前になった世界が舞台です。バイトと学業を両立する優秀ながら多忙の高校生・酒寄彩葉(いろは)が、ある日帰り道に見つけた七色に光り輝くゲーミング電柱から出てきた赤ちゃんが、みるみる大きくなって...月から来たという謎の少女・かぐやと出会うところから始まる物語です。

Netflix映画『超かぐや姫!』公式サイト

スタジオコロリドの作品でもあり、以前「ペンギン・ハイウェイ」を見たことがあったのですが、この作品も想像とは全然違うもので良かった記憶があります。こちらもぜひ見てほしい作品。

Prime Video: ペンギンハイウェイ

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日本最古の物語文学の一つ「竹取物語」かぐや姫の物語をモチーフにした作品です。音楽が良いと聞いたり、可愛いキャラクターで、VR、仮想空間の描写があるらしい。地元の富士市でコラボしている話もありまして。

(このときはすごい気軽に考えていた)

【かぐや姫伝説の地・富士市がアニメ映画「超かぐや姫!」とコラボ】スタンプラリーに市内各所へのキャラパネル設置 ヘッドマーク装着電車の運行も|静岡新聞アットエス

SNSではネタバレがとにかくないのにとにかく見てくれ!という話題も見て、せっかくだからと思って見ようかと思いました。

当初は期間限定での映画館上映(今は期間延長+なんと全国展開!)だったので、どうせ観るなら、と映画館上映を見に行きました。行きましたよ...

3月13日(金)より日本全国での上映決定/劇中曲「Reply」MV公開 - NEWS 新着情報|Netflix映画『超かぐや姫!』公式サイト

脳を焼かれる感覚 - 無量空処食らいました

——見終わった後、しばらく放心でした...

2時間半の映画なのでとても長いはずなのに、「長かった」とは微塵も感じることがなくて、ひたすら映像を目に吸収して、耳から流れ込んでくる音と衝動をひたすら取り込んでいた。初回がそういう体験でした。

私も人生で一番好きな作品で攻殻機動隊によく出てくる「脳が焼かれる」という言葉がしっくりくるぐらい。見て聞いて感じたものがあまりに多すぎたのか、唖然呆然の状態でした。

呪術廻戦の五条悟が使う「無量空処」という領域展開(必殺技の意味)、ネット上で「多量な情報を一挙に浴びてしまう」たとえで使われてますが、まさにそれでした。見終わってからは、全く同じ状態になってしまって。

映像と音楽の密度がとにかく凄まじくて。劇場のスクリーンと音響に囲まれながら、感情と情報をずっと流し込まれ続けるような感覚。


映画館の周りのお客さんも、初見の方以外にもNetflixを見てから来たお客さんも多そうで、泣いている方が多かったです。お客さんみんな同じところですすり泣きしてまして。

後々、その涙の理由が理解できたのですが、初見では受け取るのに精一杯だったのを覚えてます。感受性や相性もあるかもしれないですが、SNSでも同じ方いるようなので、そう感じるのは誤ってないだろうなあと思います。

2回目を見に行ったほうがいいという話も個人的にも大正解でした。無事に映画館で号泣してました。お客さんみんな同じところですすり泣きです。いやーもうこれは我慢できないよー。

音楽と主題歌

この作品の音楽も素晴らしくて歴戦のボーカロイドプロデューサーの方々が参加されていて、原曲もカバー曲も全部いい。全部好きな楽曲です。今は「瞬間、シンフォニー。」が特に好きになりました。イントロが寂しさもあるけどカッコいいです。聴くと泣いちゃうので普段は聴かないようにしてる。

アーティスト - MUSIC 音楽|Netflix映画『超かぐや姫!』公式サイト

そしてエンディングテーマの「ray」です。MVとしてYouTubeにも公開されています。

映画館でも現在は本編後に観られるMVです。あえてここでは動画を埋め込まず、これはぜひ本編を観た後に見てほしいです。色々とネタバレになってしまうので...

原曲がBUMP OF CHICKENで、しかも2014年、約12年前の曲です。BUMPの楽曲はあまり聴けてなかったのですが、この曲はもっと早く聴けたらなあと思いました。

原曲素晴らしいです。普遍的なものとして、今より前を向くための曲と思います。そこから超かぐや姫を観てからだと、普遍的だからこそ一層心に響く楽曲です。

どちらかの楽曲を聴くともう一方も聴きたくなって延々とループしてます。ほんとおすすめ。泣いちゃうけど。

BUMP OF CHICKENの「ray」は初音ミクとコラボしたバージョンもありこちらも素晴らしいです。ぜひ見ておくことをおすすめしたいです。

ネタバレなしのまとめ

「超かぐや姫!」ぜひ見てほしいと思いました。こんなに泣いた映画は久しぶりでした。特に2回目がおすすめです!そして沼っていきましょう。また見ましょうー!

(このあとはネタバレありの話になります)

















※ ここからネタバレあり(作品全般や小説版の話もあります) ※


この作品は結局なんだったの?

この作品、SFだったんですよー!想像してなかったので度肝抜かれてました。タイムリープ、近未来の技術、思念体(月人のことです)、義体技術を扱ってます。

日本最古のSF作品とも言われている「竹取物語」、地元富士市でも伝わる「かぐや姫伝説」のような、かぐや姫の物語を軸にしつつ、そのほかのおとぎ話、浦島物語や織姫彦星を感じられるシーンもあったと思いました。

現実の歴史的にはこのあたりっぽいですね(この写真がある理由は後ほど記事にしたいと思います。)

SFというと、近未来なAR/VRという意味でも近未来な感覚を感じられて、スマートコンタクト(スマコン)というコンタクトレンズ型のARVRデバイス(なんと目をつぶるとVR、目を開けるとAR、めっちゃ合理的)、そして脳波検知のデバイスでもあり、これが仮想空間へのダイブ感覚が違うという説得力も感じられました。

作中にある仮想通貨の仕組みも、現実的な価値交換ではなく、脳波検知を活用して感情を動かされると価値が生まれることがベースの設定です。今の推し活や応援による価値創造の流れですよね。

ちょっと未来の社会とは言っても、現実世界に一歩二歩ぐらいの近さにも見えました。実現しそうではないですか、スマコンは。


月見ヤチヨがどういった存在か、鑑賞して放心状態になった一番の部分として、終盤でヤチヨ自身の存在がどういうものかと「仮想世界ツクヨミが作られた理由」が明かされます。ヤチヨ=8000年の時を辿ったかぐやが、その年月の出来事を経ても、そこまでしてでも彩葉に会いに行きたいと想っていたこと。それを知ったときが、個人的に一番感動してしまいました。

でもそこからさらに...結末がどうなるか、なんとなく想像できると思いながらもその先があることが、まさに超かぐや姫!の「超」の部分です。

小説版が真の本編

1回見ただけでは、全てを吸収しきれない。2回目を見ることで初めて、作品で語られた全てをもう一度吸収できるような感覚でした。なので映像では2回見ると良い...なのですが、ノベライズ(小説版)を読むことを強く進めたいです!

小説版は基本的に本編と同じ流れで進みます。映像作品ではなかなか見えなかったキャラクターたちの動き、特に後半部分の補完が圧倒的でした。

主人公・彩葉の心の中が丁寧に描かれています。あのシーンでそんなことを考えていたこともわかります。そんなに想っているなんて...

家族の描写もありまして、お母さんの描写がとにかく強烈でした。個人的に似たような人を知っている身としてトラウマになりそうなぐらいのキャラクターだと思ってます。ノベライズを読むと過去に何があったかが断片的ながらも言及されてます。兄との関係性、家族の形が壊れる前と後は、「ray」のMVでも描写がありますが、誰も欠けてはいけなかった家族だったんだなと。

映像でも描かれてる、ヤチヨがなぜツクヨミを作った、作れたか。その解説がありまして、映像のときにも胸打たれたのに、小説だとよりそこがわかってしまって...

小説版は「補完」というより、「これが真の本編では?」と思えるぐらい、映像では見えない描写と、映像を見たからこその意味がわかる部分もありました。

個人的おすすめ順序として:映像 → ノベライズ → もう一度映像。これで物語としては3回楽しんで沼に落とされましょう。

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『ジュブナイル』の系譜 - テクノロジーで想いを形にする話

作品を初見で見ながらずっと、ある映画を思い出しまして。

学生の頃に観た、2000年の映画『ジュブナイル』です。主人公が未来からやってきたロボット「テトラ」と出会い、大人になってからもその縁が続いていく話。テトラが終盤に壊れてしまって、主人公がロボット工学を学び、20年をかけて、自分の過去を変えるためにテトラを創り上げていく軌跡があります。

(そういえばリターナも結構良いSF作品です)

子どもの頃に「ジュブナイル」を見たとき、「こんな未来があるんだな」と感じていたものが、あそこまではいかないけど、フィジカルAIも進み始めてる今で、ロボットが日常になる世界がやってきてます。

(今だとLOVOTとかいいよなーって思ってる)

『超かぐや姫!』で彩葉がやっていることと、構造がほぼ一緒だと感じました。10年の歳月をかけ、ヤチヨ=かぐやが仮想空間を飛び出し、現実の「パンキーキを食べること」を体験できるよう、ロボット工学を経て義体を作るまでに至ります。

義体って多分、これもだいぶSFよりで、まだ先かもしれない技術ですが、2026年の今だったら「あと10数年でありえそう」と思える感覚はあります。

とはいえ、彩葉はある意味マッドサイエンティスト(褒め言葉ですw)ですね。目的のためなら手段を選びそうにない感じもあります。だからこそすごく説得力を持っていたと思います。

この数年でAIによる変革時代がすぐそこまで来ていて、科学技術って、人が考えることを実現していくことで進化してきた。良いも悪いも歴史がありますが、その大きなポジティブな流れの中にこの作品があります。

また、小説版では仮想空間を作るまでの話もあるので、それも情報と通信の時代に生きる人には感じられるものがあると思います。

『攻殻機動隊』の対極を感じられる

ツクヨミの仮想空間の感覚が、攻殻機動隊のネットの世界に限りなく近かったとも感じました。人がその中で介在して自由さがある一方で現実との兼ね合いも苦労している、という話にもなってると思います。

攻殻機動隊をはじめとする多くのSFは、「不自由な肉体を捨てて、広大なネットの海へ溶けていく」ことを進化として描く。素子が人形使いと混ざっていくように、境界が消えていくだろうという話です。

ただ、主人公たちが向かっている方向は完全に逆に感じました。彩葉はそれと逆のことをやっている。

彩葉は仮想空間にいるヤチヨ=かぐやを、とんでもない情熱とある意味のエゴで「物理的な体(現実)へ引きずり下ろし、同化させる」ことを選びます。8000年後のかぐやは仮想空間で再会できた。でも彩葉はそこからさらに義体技術を用いて現実世界へ連れてきます。MVではさらに人間にしてあげたいとも言ってるのが印象的でした。

「広大なネットへ溶けていく」ではなく「現実を感じられるように繋げていく」押井守監督の攻殻機動隊とイノセンスとの繋がりも好きな自分としては、また別の角度から考えることになり良い体験でした。

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攻殻機動隊には「ニューロチップ」という、神経細胞とマイクロマシン(どちらかというとナノマシンぐらいのサイズ感と思う)で構成された、半有機物の電子デバイスがあるのですが、最近似たようなプロダクトを出している話があったのもあって、これもSFとも言えない時代になりつつあるかもしれません。

脳細胞がDOOMを1週間で習得、次はAIデータセンターの動力源へ - FabScene(ファブシーン)

AIの話だと、Anthropicが自社サービスでAIの学習構築の時に人と接する時の考え方を入れている記事も話題になってました。この感覚って今後大事なのではと一層思うことができました。

倫理観を示すClaudeは、破滅から人類を救う最後の砦なのか? | WIRED.jp

最先端や未来の技術ってどうしても怖い感覚はあるものですが、どんな人がどう使っていくか。現実の歴史でも様々な出来事があった中で「超かぐや姫!」は、そこを信じよう表現しているのが良かったです。


人間賛歌として

人は過ちを繰り返す (Falloutより)

小説版で解説があるのですが、かぐやが8000年を過ごす中で、どう思い、どうやって人と対話をして歴史を見てきたのかもわかります。ヤチヨとなったかぐやがどう感じていたか。作品はディストピアの否定ではなく、人間の愚かさも含めてまるごと「包み込んでいく」方向に進む様子もとにかく良かったです。

主人公・彩葉も、後半で向き合う選択——お母さんをなぞるように辿ろうとしていた自分が、「それでは自分が望む未来にならない」と気づいて、自分の人生を自分で決断していくシーン——が本当に心打たれた。成長というより、発見の物語でもあると思います。

やるべきことを見つけていくことで、叶えたいと思って熱量が上がっていく様子が、とても人間臭いんですよ。そして小説版でもかぐやはこういう命をかけて 取り組もうとする人が好きだったと、過去にあった人たちを挙げています。


「かぐやを人間に近づけてあげたい」という彩葉の執念は、傍から見ればマッドサイエンティストそのものです。でも愛情と情熱が人を動かすということを、確かな体温を持って見せてくれます。それはある種のエゴイズムかもしれませんが、だからなんだ、自由だ!が主人公たちには似合っている、とても美しく感じられるんです。

最後に一言だけ

時空を超えてしまうは、ネットも広大なのに、いつか出会えることを確信して進む。そこから始まる物語です。終わりじゃなくて始まりからそこだったかー。

ハッピーエンドのその先が見れました。笑いながら泣ける作品って良いなーと思いました。

「超かぐや姫」は今の世代のSF作品として歴史に残って欲しいと思える作品でした。


見る・読む

Netflix で見られます(まずここから)

映画館でも上映中(本編+後日談映像あり。後日談だけでも映画館で見る価値あります)

ノベライズ(小説版):映画を観た後にぜひ。コミカライズもある程度進んでから読みたいと思ってます。

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楽曲もやサウンドトラックもサブスクや配信で聴けます。これを聴きながら小説読むとヤバいぞー

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